自己分析で人生の方向が変わる─今年の教育大生を見て確信したこと。
今年の教育大1年生、エンジンのかかり方が違っていた。
兵庫教育大学で1年生向けに「自己理解・自己分析」の講座を担当して、もう7〜8年ほどになります。
毎年、学生のカラーって驚くほど違うんですが、
今年の1年生は、とにかくエンジンのかかり方が早かった。
講義後に読んだアンケートで、その理由にハッキリ気づきました。
みんな、それぞれの言葉で「未来の教壇に立つ自分」のイメージを掴みにいっていたんです。

■ 1. 「座学って、こんなに面白いんや」
こう言ってもらえると、講師冥利に尽きるわけです。
初めて座学でも面白い授業があると感じた。
常に集中できた。目的・目標・計画の話が特に納得できた。
“目的→目標→計画”というのは、人生でも仕事でも変わらない骨格です。
こういう「先に構造を理解する学び方」に、学生の反応が良かった。
これがまず今年の特徴でした。
■ 2. 自己理解ワークが「自分への信頼」を取り戻す時間になっていた
心技体の一覧に〇をつけて長所を可視化するワーク。
これ、シンプルなのにめちゃ効くんです。
思った以上に長所が見つかった。
短所だと思っていたことが長所になるなんて、嬉しかった。
こういう声は、学生たちが
“自分を疑う癖”をいったん脇に置いて、
“自分を信じる感覚”を取り戻している瞬間なんですよ。
先生になりたい学生ほど、他者への意識が強くて、
「自分」だけ急に雑に扱っちゃうことが多い。
そこに光を当てられたのが、今年は特に大きかった。
■ 3. もっと早く知っておきたかった
これは、教師としても嬉しく切ないコメント。
高校入試・大学入試のときに知ってたら絶対役立ってた。
もっと早く知りたかった。
自己理解って、早くやればやるほど人生がラクになるんですよ。
未来の教室ではぜひ、彼らが“早めの自己理解”を伝えてくれるはずです。
これ、静かに期待しています。
■ 4. 「どんな先生になりたいか」を自分事として語れる学生が多かった
今年のアンケートを読んでいて、一番胸を打たれたのはここ。
子どもに夢を与えられる先生になりたい。
一生忘れない先生になりたい。
面接の時の自分の軸をもう一度取り戻せた。
いや、1年生でここまで言語化できるの、すごいです。
“教壇に立つ自分”を明確にイメージできる学生は伸びます。
そして、子どもに対してもそれができるようになります。
こういう原動力があると、4年間での成長カーブが一気に変わります。
■ 5. 本と学びをつなげる力が育ち始めていた
そして今年の学生の特徴を象徴するのがこのコメント。
「嫌われる勇気」を読んでいたが、中川さんの話と重なった。
目的、意味、最良の妥協……どれも腹に落ちた。
講義内容と自分の読書が自然につながっていく学生は、
学びの回路が自立している証拠です。
こういう学生は、教壇に立つと、とてつもなく強い。

■ 6. 今年の学生は “軸を持ちたい” と強く願っていた
アンケートを並べて読んでいて、ふと気づいたことがあります。
今年の学生は「軸をつくりたい」という欲求がとても強かった。
・自分の長所を知りたい
・教師としての理想像を固めたい
・目的から行動を組み立てたい
・生徒に夢を与えたい
・自分自身の価値を肯定したい
こういう“内側の声”が、例年よりはるかに多い。
私はただ、
その声が形になるように
“背中を押すきっかけ”を用意しただけです。
でも学生たちは、それをしっかり掴んでくれた。

■ 最後に
毎年、同じテーマで話をしていても、
学生によって講義の「色」は全く違います。
今年は特に、
「教壇に立つ理由」を自分の言葉で見つけようとしている学生たちが多かった。
まだ1年生です。
ここから先、迷うこともあるでしょう。
でも一度見つけた“軸”は、人生のあちこちで彼らを支えます。
そしていつか、
彼らが教室で子どもたちにこう語る日がくるでしょう。
「自分の可能性を信じていいんだよ」
その言葉には、きっと今日の講義の余熱が宿っている。
そう信じています。