「俺の面接の何が悪いんだ」と言いたくなったときに、少し立ち止まってほしい話
こんにちは。中川コーイチです。
先日、ある企業の採用担当の方から、こんな相談を受けました。
「現場の部長クラスに、採用面接対策のハラスメント研修をやろうとしたら、かなり強い反発がありまして…」

話を聞くと、
「いまさら面接のやり方を教わる必要はない」
「長年、人を見てきた。マニュアル通りの質問では本音は見抜けない」
そんな声が上がったそうです。
正直に言って、その感覚自体は理解できます。
長く現場を支え、採用にも責任を持ってきた。
だからこそ、「自分のやり方」を簡単に否定されたくない。
ただ、今日はあえて一つだけお伝えしたいことがあります。
これからの採用面接は、「個人の経験」だけで続けられる時代ではなくなりました。
それは精神論ではなく、環境とルールが変わったという、ただそれだけの話です。
「マナーの問題」ではなく、「企業の責任」になった
採用面接で、
- 親の仕事を聞く
- 家庭環境に踏み込む
- 恋愛や結婚の話題を出す
こうした質問は、昔から「望ましくない」と言われてきました。
ただ、現実には
「差別するつもりはなかった」
「雑談のつもりだった」
そうして見過ごされてきた場面も多かったと思います。

しかし、2026年に向けた法改正(労働施策総合推進法等)により、状況ははっきり変わります。
いわゆる「就活セクハラ」や不適切な質問は、
企業が防止措置を講じるべき対象として、明確に位置づけられました。
つまり、
面接官個人の問題では終わらない。
「教育・体制を整えていなかった会社の責任」として扱われる、ということです。
これは、誰かを責めるための話ではありません。
経営リスクの構造が変わった、という事実の確認です。
「悪気はなかった」が通用しなくなる理由
たとえば、
- 「彼氏(彼女)はいるの?」
- 「結婚したら仕事はどうするの?」
- 「今日はおしゃれだね」
言った側は、場を和ませるつもりだったかもしれません。
ただ、今は
「どういう意図だったか」より、「どう受け取られる可能性があったか」
が重視される時代です。
企業には、
そうした発言が起きないようにするための
事前の教育・ルール整備・確認が求められます。
逆に言えば、
そこを整理しておけば、過度に怖がる必要はありません。
面接官のアップデートは、学生への敬意でもある
私は研修の場で、よくこうお話しします。
プライベートな話題に踏み込まないと本音が見えない、
強い言葉を投げないと人物像がわからない、
もしそうだとしたら、それは個人の力量の問題です。
本当に力のある面接官は、
- 仕事の進め方
- 困難への向き合い方
- どんな環境で力を発揮したいのか
こうした話だけで、
学生の価値観や仕事観を十分に引き出すことができます。
これは「優しくなれ」という話ではありません。
より精度の高い、プロフェッショナルな面接に進化しようという提案です。

法改正は「きっかけ」にすぎない
法律が変わるから対応する。
それ自体は、悪いことではありません。
ただ、本質はそこではありません。
採用のミスマッチは、
- 早期離職
- 現場の疲弊
- 管理職の負担増
として、静かに会社を弱らせていきます。
だからこそ今、
面接官の役割ややり方を見直すことには、
法対応以上の価値があります。
「俺は大丈夫」と思ったときこそ、確認してほしい
最後に、一つだけ問いを投げかけます。
あなたが普段、何気なくしている質問。
それは本当に、
「この会社で働く姿を具体的に想像してもらうための質問」
になっているでしょうか。
もし少しでも迷うなら、
それは「間違っている」というより、
アップデートのタイミングなのだと思います。

採用は、会社の未来そのものです。
だからこそ、経験を積んできた人ほど、
次の時代に合った形へ進んでいく価値がある。
私は、そう考えています。
内定辞退・早期離職を減らしたい企業様へ。設計から立て直します。