「俺の面接の何が悪いんだ」と言いたくなったときに、少し立ち止まってほしい話

2026年2月11日

こんにちは。中川コーイチです。

先日、ある企業の採用担当の方から、こんな相談を受けました。

「現場の部長クラスに、採用面接対策のハラスメント研修をやろうとしたら、かなり強い反発がありまして…」

話を聞くと、
「いまさら面接のやり方を教わる必要はない」
「長年、人を見てきた。マニュアル通りの質問では本音は見抜けない」
そんな声が上がったそうです。

正直に言って、その感覚自体は理解できます。
長く現場を支え、採用にも責任を持ってきた。
だからこそ、「自分のやり方」を簡単に否定されたくない。

ただ、今日はあえて一つだけお伝えしたいことがあります。

これからの採用面接は、「個人の経験」だけで続けられる時代ではなくなりました。
それは精神論ではなく、環境とルールが変わったという、ただそれだけの話です。


「マナーの問題」ではなく、「企業の責任」になった

採用面接で、

  • 親の仕事を聞く
  • 家庭環境に踏み込む
  • 恋愛や結婚の話題を出す

こうした質問は、昔から「望ましくない」と言われてきました。

ただ、現実には
「差別するつもりはなかった」
「雑談のつもりだった」
そうして見過ごされてきた場面も多かったと思います。

しかし、2026年に向けた法改正(労働施策総合推進法等)により、状況ははっきり変わります。

いわゆる「就活セクハラ」や不適切な質問は、
企業が防止措置を講じるべき対象として、明確に位置づけられました。

つまり、
面接官個人の問題では終わらない。
「教育・体制を整えていなかった会社の責任」として扱われる、ということです。

これは、誰かを責めるための話ではありません。
経営リスクの構造が変わった、という事実の確認です。


「悪気はなかった」が通用しなくなる理由

たとえば、

  • 「彼氏(彼女)はいるの?」
  • 「結婚したら仕事はどうするの?」
  • 「今日はおしゃれだね」

言った側は、場を和ませるつもりだったかもしれません。

ただ、今は
「どういう意図だったか」より、「どう受け取られる可能性があったか」
が重視される時代です。

企業には、
そうした発言が起きないようにするための
事前の教育・ルール整備・確認が求められます。

逆に言えば、
そこを整理しておけば、過度に怖がる必要はありません。


面接官のアップデートは、学生への敬意でもある

私は研修の場で、よくこうお話しします。

プライベートな話題に踏み込まないと本音が見えない、
強い言葉を投げないと人物像がわからない、
もしそうだとしたら、それは個人の力量の問題です。

本当に力のある面接官は、

  • 仕事の進め方
  • 困難への向き合い方
  • どんな環境で力を発揮したいのか

こうした話だけで、
学生の価値観や仕事観を十分に引き出すことができます。

これは「優しくなれ」という話ではありません。
より精度の高い、プロフェッショナルな面接に進化しようという提案です。


法改正は「きっかけ」にすぎない

法律が変わるから対応する。
それ自体は、悪いことではありません。

ただ、本質はそこではありません。

採用のミスマッチは、

  • 早期離職
  • 現場の疲弊
  • 管理職の負担増

として、静かに会社を弱らせていきます。

だからこそ今、
面接官の役割ややり方を見直すことには、
法対応以上の価値があります。


「俺は大丈夫」と思ったときこそ、確認してほしい

最後に、一つだけ問いを投げかけます。

あなたが普段、何気なくしている質問。
それは本当に、
「この会社で働く姿を具体的に想像してもらうための質問」
になっているでしょうか。

もし少しでも迷うなら、
それは「間違っている」というより、
アップデートのタイミングなのだと思います。

採用は、会社の未来そのものです。
だからこそ、経験を積んできた人ほど、
次の時代に合った形へ進んでいく価値がある。

私は、そう考えています。


内定辞退・早期離職を減らしたい企業様へ。設計から立て直します。