冬の合説に3年生が来なくなった。そのとき企業は何を見るべきか
冬の合同企業説明会に、3年生が来ない時代になった。
先日、ある冬の合説イベントで授業を担当した。
僕の授業には約450人の学生が集まってくれた。
まずは、無事に来てくれたことに感謝したい。
この日の経験は、きっと彼らにとって「自分の未来を考える第一歩」になったと思っている。

このイベントでは、運営側がバスを8台出していた。
参加した学生の多くは大学1年生と2年生。
本来は「3年生向け」の就活イベントだ。
にもかかわらず、参加者全体の半分近くが1・2年生だった。
ここに、今の就職活動の変化がはっきり表れている。
3年生夏のインターンで、就活は「ほぼ終わっている」
理由は明確だ。
今の3年生は、
夏のインターンで5社前後をすでに訪問している。
企業研究や自己分析も、ある程度は終えている。
つまり、
秋から冬は「企業を探しに来る時期」ではなくなっている。
就活は確実に早期化している。
一方で企業側は、出展料を払い、時間と人手をかけてイベントに臨んでいる。
当然、「3年生に会いたい」と思っているはずだ。
しかし現実はそうならない。
ここに、企業と学生の間のズレが生まれている。
今、採用で何が起きているのか
ここからは、企業の皆さんに向けて、
今の就職市場をどう捉えるべきか、率直に書きたい。
まず前提として、
大企業と中堅・中小企業では、取るべき採用スタンスはまったく違う。
毎年10人、20人と一定数を採用したい企業は、
この早期選考の流れに合わせにいかざるを得ない。
インターン、早期選考、母集団形成——
これはもはや選択肢ではなく、前提条件になっている。

一方で、
中堅・中小企業が同じ土俵で同じやり方をしても、
勝てる可能性は高くない。
学生が比較するとき、
知名度、ブランド、条件面で勝負にならないからだ。
では、中堅・中小企業はどうすべきか。
答えは、
短期決戦ではなく、長期視点での関係づくりにある。
実際、3年生がイベントに来なくなった今でも、
4年生の中には
・就職先が決まっていない学生
・一度立ち止まり、考え直している学生
が、一定数いる。
この層に対して、
「どんな会社で、どんな仕事をし、どんな成長ができるのか」
を丁寧に伝えられる企業は、まだ多くない。
中堅・中小企業にとって重要なのは、
早く取ることではなく、合う人と出会うことだ。
採用は数の勝負ではない。
企業のスタンスが、そのまま結果に表れる時代になっている。
学生に今、問われているのは「キャリアビジョン」
こうした状況の中で、
学生に何が求められているのか。
それは、キャリアビジョンだ。
・どんな仕事をしたいのか
・なぜ、その仕事なのか
・その会社で、何を実現したいのか
これが言葉にならないと、
たとえ人手不足でも、企業は簡単には採らない。

企業はちゃんと、学生を見ている。
採用コストは年々上がっている。
だから企業は、
「すり合わせができるかどうか」を重視する。
売り手市場と言われる今でも、
自分が行きたい仕事に就けるかどうかは別問題になってきている。
通年採用は「制度」ではなく「覚悟」
通年採用という言葉は、
ここ数年ずっと言われている。
しかし正直に言うと、
本当の意味で通年採用ができている会社は、ほとんどない。
既卒で1年空いた学生に対し、
「なぜその1年間、就職しなかったのか」と聞く企業は多い。
それが現実だ。
新卒採用は、この国の文化だ。
この仕組みが急になくなるとは考えにくい。
もし本気で通年採用をやるなら、
企業の採用担当はプロ化しなければならない。
新卒採用は、今も最大のチャンスである
最後に、これだけは伝えておきたい。
日本の新卒採用ほど、
これだけ一気に学生が集まる機会は、他にない。
だからこそ、
・短期で取るのか
・長期で関係をつくるのか
・どの層に、どう出会いたいのか
企業側も、
採用に対するスタンスを明確にする時代に来ている。
就活は、もう昔のままではない。
だが、やり方次第で、
中堅・中小企業にも、まだまだチャンスはある。
僕は、そう思っている。