「滑り止め」という言葉を知らない学生
先日、就活指導している学生に、
どうしても入りたい会社への
アプローチを質問されていたときのこと。
「ところで滑り止めの会社も研究している?」
と質問したところ、
「滑り止めって何ですか?」
と聞かれてしまいました。(笑)
最近の大学生には
「滑り止め」という言葉は通じないようです。
文部科学省の2022年度(令和4年度)の大学入学者選抜実施状況によると、2021年度に初めて一般選抜(入試テストの点数で合否)の割合が5割を切り、2022年度はその割合が49.0%とさらに減少。
一方でさらに割合を大きくしたのが総合型選抜(以前はAO入試と呼ばれていました)。
総合型選抜が全体に占める割合は2021年度の12.7%から2022年度は13.5%に増加。
学校推薦型選抜と合わせると一般選抜での入学者数よりも多くなります。
総合型選抜での入学者数は、2017年度に60,040人だったのが2022年度は84,908人まで増加。
5年で41%増えたことになります。
国立大学でも67%、公立大学で70%、この5年で総合型選抜での入学者数が増えました。
必勝の張り紙、はちまき、どてらなど、、、
寒さと眠気と戦うこれまでの受験生のイメージとは変わってきたようです。
これは就活においても当てはまり、
エントリー数や訪問数が減った理由としてはうなずけるものでした。
この現状を踏まえて、大学生のキャリア指導をどうするか。
私は二つの方向性があると考えます。
一つ目、就活は一般入試のように志望先に必ずしも受かるわけではないので、第二志望、第三志望も考えておく。30社ほどリストアップさせる方法。昔ながらの受験勉強的な指導ですね。
二つ目は、総合選抜的、推薦型の就活指導です。キャリアセンターが優良企業リストと求める人物像、さらには過去にどんなタイプの先輩が活躍しているのかなどの情報を握って、半ば推薦のように学生を指導していく。
就職率はどの大学も90%後半となっており差別化できない時代です。
今こそ就職先が問われているのだと思います。