早期離職を防ぐカギは“職種体験”。仕事のリアルを伝えるインターン設計を

2025年7月6日

インターンは“職種の機微”を伝える場に進化すべき

私が発信した「就職浪人はやめて」というYouTube動画が、特に多くの再生を集めました。

その中で、ある偏差値の高い大学に通う学生からこんなコメントをもらいました。「コンサル志望で50社以上受けたけれど、全部落ちました」と。

この学生とZoomで面談したところ、彼の強みはじっくり考え抜く力。しかし、会話のテンポや瞬発力が求められるコンサル業界との相性は明らかに悪いと感じました。彼には、調査分析や研究開発などの職種の方が向いていたはずです。

「仕事のリアル」に触れられるインターンが、採用の質を高める

こうしたミスマッチは、企業側にも大きな機会損失です。だからこそ、企業が提供するインターンシップの在り方が問われています。単なる会社説明や課題解決型ワークだけではなく、「職種の機微」が伝わるプログラムが必要です。

たとえば、ある企業ではインターンシップの中で、クレーム対応をしている先輩社員の実例を収めた動画を見せています。クレームにどう向き合い、どう乗り越えるか。そのプロセスにこそ、仕事のやりがいがある。こうした“乗り越えのカッコよさ”に触れることで、学生はその職種の本質に近づけるのです。

学生に必要なのは「適職の実感」

学生は自分に合う仕事を知らずに就活に臨んでいます。インターンを通じて、仕事の進め方、社内の人間関係、困難の乗り越え方を“体験”することで、「この仕事、自分に合う」「これは違うかも」と判断ができるようになります。

インターンが単なる選考ステップやPR手段にとどまらず、適職探索の手助けとなる構成になっていれば、学生の志望度は自然と高まりますし、入社後の定着率にも好影響を与えるはずです。

データから見るインターンの意義

リクルートが運営する『就職みらい研究所』の調査「インターンシップは内定取得に有利」は本当か?は、インターン経験者の方が内定率が高いという傾向がありますが、私の見解では「職種との相性を見極める経験ができたから」こその結果です。

まとめ

採用担当者の皆さんには、ぜひ「職業体験」としてのインターン設計を意識していただきたいと思います。魅せるべきは“仕事そのものの魅力”。その現場で働く先輩たちのリアルな姿を通じて、学生が「働くこと」にポジティブな期待を持てるようなプログラムづくりが求められています。

もっと具体的なインターン設計や学生との向き合い方に関心のある方は、ぜひお問い合わせください!