履歴書に「魂」は宿っているか?~添削業務から見えた就活のリアル~
結論から言おう。「伝わる自己PR」には構成と想いが必要だ。
今、履歴書の添削をしていて強く思うのは、「自己PRが、本人の思いや強みをまったく伝えきれていない」ケースが本当に多いということだ。

なぜそうなるのか? 一つは、ネットやテンプレから拾ってきたような文章。もう一つは、「構成がバラバラ」なこと。
特に多いのが、PREP法の使い方がズレている文章。PREPとは、
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(結論のまとめ) の流れで主張を展開する技法だ。
でも実際の履歴書では、「最初の結論」と「最後のまとめ」が一致していない文章が非常に多い。たとえば、冒頭で「私の強みは問題解決力です」と書いておきながら、最後のまとめで「私は努力できる人間です」と別の話になってしまっている。
読み手は「結局、あなたの強みって何なの?」と混乱してしまう。これではせっかくの自己PRが台無しだ。

「なぜそうなのか」の背景が抜け落ちている
もうひとつ大きな原因は、「理由=REASON」の部分が浅いこと。多くの学生は、いきなり具体例に飛びがちだ。でも本当に伝えたいのは、「なぜそれをやったのか」「どういう価値観や背景があるのか」という“思考の根っこ”の部分。
問題解決力が強みなら、それを育んだ経験やきっかけ、その時どんな気持ちで向き合ったか——そういったストーリーがないと、読み手は共感できないし、信じることもできない。
習慣になっている強みこそ、本物
企業が知りたいのは「仕事で活かせる強み」だ。つまり、「とってつけたようなエピソード」ではなく、「習慣として染みついている力」なのかを見ている。

強みを一つだけ語るのではなく、日常の中で何度もその力が出ていることが伝われば、「これは本物だ」と感じてもらえる。強みは“クセ”として表に出てくるもの。それが自己PRに現れているかどうかがカギだ。
表現の軽さと文章の粗さも、見抜かれている
話し言葉のまま書いたり、接続詞が抜けていたり、基本的な文法ミスも目立つ。「〜だなぁと思いました」などの砕けた表現や、句読点の不統一、誤字脱字——これらも、採用担当はしっかりチェックしている。
そして最近特に増えているのが、「AIで書いたのでは?」と思わせる、一般論だらけの文章。本人の考えや経験がまるで見えず、具体性も感情もない。正直に言えば、一発でバレる。

なぜなら、読み手は「人間らしさ」を見ているから。言葉の熱、個性、リアリティがなければ、どんなに整った文章でも心に響かない。むしろ逆効果になりかねない。
自分の「やる気スイッチ」を知ることが、未来の仕事を変える
エントリーシート(ES)って、合格するための書類——そんな風に思っている人が多いんだけど、それだけじゃもったいない。
実はESを書くプロセスって、自分の価値観や、根っこの部分、そして“やる気スイッチ”がどこにあるのかを見つけるための、すごく大事な時間なんだ。どんな経験にワクワクしたのか、どんなときに踏ん張れたのか、どんな仲間と一緒にいて自分が輝けたのか。そういうことに目を向けてみると、少しずつ「自分らしさ」が浮き彫りになってくる。
就活って、自分をよく見せるゲームじゃなくて、「自分をどう活かすか」を見つける旅だと、私は思っている。社会に出てから、ただ頑張るんじゃなくて、自分の強みややる気スイッチを活かしながら働く方が、圧倒的に成果も出やすいし、何より楽しい。頑張ってるのに空回りするのってツライよね?だったら、最初から“自分が熱くなれるフィールド”を探した方が絶対いい。
だからこそ、ESを書くときは「通過すればOK」じゃなく、「自分を深掘りするチャンス」として捉えてほしい。今はピンと来なくても、その経験は、いずれ働き出したときに、自分を救ってくれる武器になるから。
まとめ
エントリーシートは、単なる選考通過のツールじゃない。「自分の根っこを見つける作業」だ。どんな時に自分は燃えるのか、そのスイッチを見つけることが、将来の仕事の選び方にも直結してくる。そしてそのスイッチを押しながら働けた方が、絶対に楽しくて、成果も出る。だから、今のうちにその“やる気スイッチ”を一緒に探しに行こう!
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