参加者ゼロの危機!就活ガイダンスをスルーする学生が知らない現実
就活ガイダンスに来ない学生たちへーーその選択、本当に大丈夫?
実は大阪の某私立大学での就活ガイダンスに在籍者400人中たった5人しか参加希望が無かったという話を聞いた。来週訪れる予定の某私立大学も、定員30人に対して参加者は10人程度だという。これは単なる偶然ではない。全国の大学で同じ現象が起きている。
キャリアセンターの先生方も、この状況には頭を抱えている。しかし、学生がガイダンスに来ないのは、「大学が悪い」「キャリアセンターの発信力が弱い」といった単純な話ではない。ここには、もっと深い問題がある。
学生は「就活ガイダンスに参加しなくても就職できる」と思っている
今の就活市場では、企業の採用意欲が高く、「どこかには受かる」状況が続いている。そのため、学生は「ガイダンスなんか行かなくても、どうせ内定はもらえる」と思い込んでいる。しかし、この考え方には大きな落とし穴がある。
就活とは、単に内定をもらうことが目的ではない。むしろ「自分が本当にやりたい仕事に就くこと」「入社後に活躍できる会社を見つけること」がゴールのはずだ。では、そのために必要なことは何か? それこそが、就活ガイダンスで得られる知識やノウハウなのだ。
就活は「営業活動」そのもの
就活は、言い換えれば「自分という商品を企業に売り込む営業活動」だ。営業の基本は、
- リサーチ(どの企業にアプローチするか)
- 種まき(エントリーや企業との接点を増やす)
- 刈り取り(選考を勝ち抜き、内定を得る)
このプロセスを経験せずに「なんとなく就活をして内定をもらう」と、社会に出た後に大きな苦労をする。いきなり「営業しろ」「交渉しろ」「資料を作れ」と言われても、準備をしてこなかった人は対応できない。
就活は、社会に出るための予行演習だ。この経験をしっかり積んだ学生と、適当に流した学生とでは、5年後、10年後のキャリアに大きな差がつく。
「キャリアセンター主催の講座はつまらない」?
一方で、「キャリアセンターのガイダンスは当たり前のことしか言わないし、つまらない」と思われている現実もある。確かに、従来型の就活講座は、学生の興味を引きつける工夫が不足していることも多い。
しかし、実際には「知っているようで知らないこと」が山ほどある。例えば、
- 「自己分析って、結局何をすればいいの?」
- 「面接官が本当に見ているポイントって?」
- 「企業研究はどこまでやるべき?」
こうした疑問に答えるために、私のような外部の専門家もいるのだ。この機会を逃すのは、あまりにもったいない。
じゃあ、どうすれば学生はガイダンスに来るのか?
この問題は簡単には解決しない。キャリアセンターが「来ない学生が悪い」と考えるのも違うし、学生が「大学の講座は意味がない」と決めつけるのも間違いだ。
私は、キャリアセンターと学生の関係性構築が不足していることが一つの要因だと考えている。大学からのメールは読まれず、告知もスルーされる。では、どうすれば伝わるのか? SNSを活用する? 授業に組み込む? 学生目線で情報発信を工夫する?
この課題に、私一人で完璧な答えを出すことはできない。でも、キャリアセンターの皆さんと一緒に考えたい。どうすれば、学生に「ガイダンスに行かなきゃ!」いや、「行きたい!」と思ってもらえるのか。
一つ言えるのは、「どこかに就職できればいいや」と考えている学生ほど、ガイダンスの重要性を理解していないということ。だからこそ、伝え方を変えていく必要がある。
一緒に、この問題の突破口を探していきませんか?