アクティブラーニングは必要なのか?削除の背景と現場での課題
アクティブラーニングが消えても、本質は消えない
2017年、文科省の学習指導要領から「アクティブラーニング」という文言が削除され、その代わりに「主体的・対話的で深い学び」という表現が用いられるようになりました。このニュースを聞いてどう思われますか?私は驚きましたね。耳を疑いました。しかし、ここで誤解してはいけないのは、「アクティブラーニングそのものが否定されたわけではない」という点です。むしろ、これからの教育現場でますます重要になる考え方だと、私はさらに確信しました。

なぜアクティブラーニングは誤解されたのか?
アクティブラーニングとは、生徒が主体的に学び、深い学びを得ることを目的とした教育手法です。しかし、この「主体的な学び」という本質が、現場に十分に伝わっていなかったのではないかと思います。
例えば、「生徒たちにディスカッションをさせていればアクティブラーニングだ」というような、形式だけを追いかけた授業が多かったのではないでしょうか。しかし、ディスカッション自体には目的が必要ですし、教員が適切に導かないと雑談で終わってしまう危険性があります。また、多忙な教員の方たちがこの新しい教育手法を学ぶ時間や研修の場を十分に持てなかったことも、アクティブラーニングがうまく機能しなかった原因のひとつです。

それでもアクティブラーニングが必要な理由
現代の生徒たちは、かつてとは全く異なる学びの環境にいます。スマホやSNS、YouTubeといったデジタルツールが当たり前のように存在し、情報に触れるスピードや質が格段に向上しています。有料級の情報が無料のYouTubeで好きな時に好きなスタイルで見られる時代。その中で、旧態依然の、先生の書いた文字を黒板からノートにただ書き写すような一方的、受け身の授業だけでは彼らの関心を引くことが難しくなっています。
アクティブラーニングの考え方が必要とされる理由は、まさにここにあります。以下のようなスキルを育てるためには、生徒たちが主体的に学ぶ機会が不可欠だからです。
- 問題解決能力:社会に出たとき、自分で問題を発見し解決する力が求められます。これは、教師が一方的に教えるだけでは育めません。
- 批判的思考:他者の意見を聞き、自分の考えを形成する過程で、物事を多面的に捉える力が養われます。
- 協働力:ディスカッションやグループ活動を通じて、他者と協力しながら成果を出す経験が重要です。
アクティブラーニングは、これらの力を育てるための土台となる教育手法なのです。

アクティブラーニングの本質を理解して活かす
では、アクティブラーニングの本質を現場でどう活かせばいいのでしょうか?私が学生指導や講演で意識しているポイントをいくつか共有します。
- 短時間で集中させる仕組み作り
ディスカッションの時間を短くし、テーマを明確にすることで、生徒たちの集中力を維持します。「もっと考えたい!」と思わせるくらいが理想です。 - テンポの良い指導
現代の生徒たちはスピード感のある情報に慣れています。話すスピードや抑揚、テンポを意識することで、授業の興味を引きつけます。 - 教師自身の熱意を伝える
生徒たちは教員の熱意を敏感に感じ取ります。指導に工夫を凝らし、反応が良くなると教員自身も楽しさを感じられるはずです。 - 教育現場の環境改善
教員が新しい教育手法を学び、試す時間と余裕を持てる環境が必要です。教育現場全体でこの課題に向き合うことが、アクティブラーニングの定着には不可欠でしょう。
本質を共有し、未来に繋げる
アクティブラーニングという言葉が公式文書から消えたからといって、その価値が失われるわけではありません。その考え方は、これからの教育をより良いものにするために、むしろ現場で深く根付かせるべきものです。

教育は一方向ではなく、学生・生徒と教員が共に作り上げるもの。アクティブラーニングの本質を共有し、取り入れることで、学生・生徒たちが自ら学びに向かう力を引き出す教育を実現していきませんか?!
まとめ
アクティブラーニングは言葉としては消えても、その本質は今後の教育に欠かせない要素です。教員の皆さんがスキルを磨き、熱意を持ち続けるための環境整備が、より主体的で深い学びを生み出します。
具体的な方法や事例についてもっと知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。一緒に新しい教育の形を模索していきましょう!
このブログを読んで興味を持たれた方、あるいは「自分には何ができるのか」と悩んでいる方も、どうぞ遠慮なく中川コーイチにご相談ください。一歩踏み出すことで、より良い未来をつくるお手伝いができれば幸いです。