『当たり前』を見つめ直す ~姿勢と自己理解が就活のカギ~」
はじめに:仁愛女子短大の「当たり前」を再評価する
私は就活コーチとして仁愛女子短期大学さまで14年間講座を担当しています。今年も就職ガイダンスの出席率はなんと70%以上!全国80校以上の大学や短大で就職指導を担当している私からみると非常に高い出席率です。しかし、教職員の皆さんの多くがこれを「当たり前」とお考えの様子で、これはとてももったいないことだと思いました。そこで、この大学の良さを明らかにし、学生の皆さんにお伝えします。学校関係者の皆様にはご自身の学校の強みを見直すきっかけにしていただけると幸いです。
出席率70%以上 ― これが「当たり前」であることの意義
仁愛女子短大の教職員の皆さんにとっては学生の高いガイダンス出席率は当たり前なのかもしれませんが、他の大学に目を向ければそれは決して当たり前のことではありません。この「当たり前」が、自校の特徴であり、教育の成果であることに気付かないのはとてももったいないことです。これから就活に臨む学生たちがこの価値を理解し、自己PRに活かせるよう支援するのが、教職員の大切な役割です。
姿勢とやる気の関係:「姿勢を正すことで意欲が引き出される」
講義内容以上に他校でよく聞く「やる気が出ない」という学生の悩み。しかし、「やる気がないから姿勢が悪い」のではなく、「姿勢がきちんとしていないからやる気が出ない」のです。そう、教壇に立って特に目立つのが受講する学生の姿勢の悪さ。実際に、正しい姿勢を保つことは血流の促進につながり、酸素や栄養が脳に届きやすくなるため、集中力と理解力が向上します。ハーバード大学の研究によると、正しい姿勢を維持することでストレスや不安が軽減され、気分が向上しやすくなることも分かっています。このように、姿勢が心身の状態に与える影響は大きいのです。
かつての仁愛女子短大に見られた「姿勢」の教育
14年お世話になっている仁愛女子短大では、過去には学生の姿勢にも厳しい指導が行われていました。この教育が学生たちの姿勢や態度に表れ、結果として「ここの学生はよく教育されている」と、企業からも保護者からも高い信頼を得ていました。しかし、近年は「コンプライアンス」や「個人の自由」といった現代の価値観が過度に重視され、「姿勢」に関して厳しく指導する機会が減っているように思われます。
自分たちの「当たり前」が失われつつあることに気付くために
仁愛女子短大が誇る「当たり前」の価値が、学生や教職員に見えにくくなっている現状を再認識する必要があります。「出席率の高さ」や「姿勢の良さ」に見られる教育の成果が、自校の強みであり、伝統であることを理解しなければ、その価値が失われる可能性もあります。学生たち自身にも、自分たちの「当たり前」を強みとして捉え、就職活動で活用できるような気づきが必要です。
姿勢と自己理解で未来を拓く
姿勢を正すことの大切さ、そして「当たり前」の強みを深く理解することは、学生たちにとって社会に出た際の大きな財産となります。仁愛女子短大の「当たり前」の価値を再評価し、それを強みとして未来へと活かしていくサポートを、教職員の皆さんと共に行っていきたいと考えています。
学生アンケートのまとめ
受講いただいた学生の皆さんからアンケートによるフィードバックをいただきましたので、一部抜粋しながらご紹介します。
1.自己理解の深化
「自分の長所短所を見つけることが出来ました。また、自己PRの書き方についても知ることが出来たので良かったです。自分のためになる話が聞けてよかったです。」
この講座を通じて、学生たちは自己の長所や短所について改めて考える機会が得られました。これにより、自己理解が深まり、自己PRの重要性を再認識し、将来的な自己成長に向けた意識が高まったことが伺えます。特に、自己PRの書き方や、短所を長所として捉える考え方が学生の自信形成に寄与しました。
2.就職活動への意識と不安の変化
「損をするから得が返ってくるという言葉がとても響きました。日頃から挨拶や笑顔、気遣い、思いやり、経験を大切に生活していきたいです。」
「損をして得を取る」という私からのメッセージは、学生の就活に対する恐怖心を和らげ、ポジティブな姿勢を持ってもらえたようですね。ネガティブだった就職活動へのイメージが変化し、苦労や努力が将来的に自分に返ってくるという考え方が、挑戦する意欲を引き出すきっかけとなったと思います。
3.自己PRや面接準備の具体的なステップへの理解
「今回の授業では自己PRについて主に学び、今後の就職活動にとても参考になりました。個人的に自分の長所を書くことが非常に苦手なので、今日のことを忘れず活用していきたいです。」
この講座では、自己PRや面接での具体的な準備方法にも触れました。多くの学生が「自分をどのようにアピールすればいいのか」について不安を抱えていた中で、講座を通して実践的な方法を学び、その不安が軽減されたことが窺えます。これにより、自己を表現するための具体的なステップを理解し、自信も出てきたようです。
4.モチベーションの向上
「講師の方がとても熱心に、楽しく講義をしてくださってだんだんやる気が出てきました。就職活動も義務感にとらわれてやるのではなく、どうせやるのなら楽しんでやろうという姿勢でこれから取り組んでいこうと思いました。」
私の情熱とユーモアある講義スタイルが、学生たちのモチベーションを高めたようですね。講座を楽しく受けることで、就職活動への不安や義務感が軽減され、「挑戦することの楽しさ」に目を向ける姿勢が生まれました。これにより、学生たちは前向きな気持ちで就活に臨もうとする意識が芽生えていきます。