焦りは禁物!未来を見据える「農耕型就活」のススメ
就職活動で大切なこと ~内定を急がず、自分に合う職場を見極める~
就職活動の中で内定をもらうと、達成感や安心感からすぐに受け入れたくなるものです。特に4年生は夏休み明けにはまわりに内定が目立ち始め、焦りを感じる時期でもあります。しかし、その仕事が本当に自分に合っているかどうか、冷静に一度立ち止まって考えることが大切です。今回は、ある学生が経験したエピソードを通じて、「業界の実態を知り、自分に合う職場を見極める」ためのポイントをお伝えします。
モデルルームでのフォローだから安心?
例えばリフォーム業界の営業職は、「モデルルームでお客様と接するフォロー営業」というイメージが先行しがちです。今回の学生も、モデルルームでの接客を想像し、安心感を抱いていました。
しかし現実には、最初の数か月で社内の業務や基礎を学び、すぐに外勤の訪問営業に移ることが多いのです。リフォーム営業の実際の業務は、直接お客様の自宅を訪問し、インターホンを押して話を切り出すという「飛び込み営業」が今でも多いです。そしてそのほとんどは「帰ってくれ」と断られるため、精神的に非常にタフである必要があります。学生が想像する「営業」とは異なる部分が多く、忍耐力やメンタルの強さが求められる職種です。私はこの学生に、「この厳しさを本当に理解した上で内定を受けるかどうか」をよく考えるようアドバイスしました。
本当の業界研究とは? ~仕事内容の理解を深める
業界研究というと、どこが業界トップかとか、企業規模や年収に注目しがちですが、実際には「その業界の仕事内容」を深く理解することが肝心です。リフォーム営業のような厳しい職種もあれば、顧客と密な関係を築きながら進める営業職もあります。それぞれの業界や職種にはそれぞれのリアルな側面があり、表面的なイメージだけで判断すると、入社後に「こんなはずではなかった」と後悔するリスクが高まります。
「農耕型就活」で業界を深く知る
売り手市場と言われる今こそ、私は学生に「農耕型就活」を勧めています。
一社をじっくりと研究し、業界全体の構造や、その企業が自分に合うかを考える。その後に視野を広げる(研究対象の企業を増やす)ことで、自分に本当にマッチする企業や職種を見つけやすくなります。一方、目の前の内定に飛びつく「狩猟型」の就活は、入社してから現実を目にするためミスマッチを生む可能性が高く、後悔に繋がりやすいのです。
学生へのメッセージ ~人材として成長できる職場を探そう
就職活動の最終目標は内定をもらうことではなく、自分が成長できる職場を見つけることです。目指すべきは「人手」ではなく、企業にとっての「人材」として輝くこと。リフォーム営業のような厳しい現実を理解したうえで、それでもやりがいや成長を感じられるかを考え、自分の力を発揮できる環境を選んでください。
まとめ
就職活動は未来を左右する重要なステップです。焦らずに「農耕型」のアプローチでしっかりと業界研究を行い、確実に自分に合った職場を見つけましょう。将来の成長を見据えた職場選びが、充実したキャリアを築くための一歩です。